今年度最後の大手町病院でのフィジカル回診

今回の症例は70代男性の倦怠感・食欲不振。

慢性腎臓病で通院中に急に倦怠感が出現したという患者さんでした。

 

慢性腎臓病の増悪ではないか、という鑑別がトップに挙がりますが、問診ではこの患者さんのストーリーを重視して行います。

元調理師の独居のおじいちゃんが定食屋で夕食を食べている。

こういった絵が浮かぶような問診から、どのタイミングでどのような症状が出現し、その症状が変化するのかを共有しました。

 

身体診察では内頚静脈圧上昇、耳たぶゆらゆらサイン、心尖拍動の異常を認めました。

 

結果、心臓のイベント(恐らく虚血)が誘因となり、心不全を併発したのではないかという疑いになりました。

治療方針に関しては主治医の先生が患者さんの尊厳を重視しつつ行っている姿が素晴らしかったです。