2018.2.5-9. 名古屋大学4回生長田さん

将来の目標と課題がみえてきた。

参加した動機

奄美大島での実習は、平島先生のフィジカルクラブに参加した際に知りました。CBT/OSCEの勉強やフィジカルクラブで学んだ知識・スキルが、どのように臨床現場で実践されているのか、大学の病院実習が始まる前に一度見てみたいと思いました。また、「手当ての医療」というコンセプトに惹かれ、自分が将来、どのような医療を実践したいのか、そして、その実現には何が必要か、普段とは異なる環境で考えたいと思い参加を希望致しました。

実習内容

2018年2月5日(月)~2月9日(金)の間、名瀬徳洲会病院および喜界島徳洲会病院の内科や産婦人科で、外来や回診、当直などの見学をさせて頂きました。また、訪問診療や、中学校での性教育の講演にも同行させて頂きました。この訪問先や空港と、病院間の移動の際には、島の観光名所や施設、歴史などについても紹介して頂きました。さらに、懇親会にも参加させて頂き、院長を始め様々な先生方がなぜ医師を目指したのか、そしてなぜ今の専門領域を選択したのかについても教えて頂くことが出来ました。

実習での気付き

身体診察については、内頸静脈の拍動、胸部の打診・聴診、ばち指など、今まで勉強してきた所見が、実際にどのような患者さんでどのようにみられるか、学ぶことが出来ました。さらに、Oliver-Cardarelli徴候など、これまで聞いたことのなかった所見についても経験させて頂くことができました。これらの身体所見は、ただ漫然ととっていくのではなく、鑑別診断や重症度の把握のため、目的を持って積極的にとっていくことの大切さを教えて頂きました。そして、身体診察の結果は複数組み合わせたり、問診や画像所見なども含めたりすることで、総合的に病態を考えていくことが重要だと学びました。

「手当ての医療」において大切なことは、患者さんのことをしっかりとみて、話を聞くことだと思います。外来の見学で、暗い表情で入ってきた患者さんが、先生方と話しをされた後、明るい表情で病室から出られて行かれるのが印象的でした。また、患者さんの罹患している疾患に加えて、嗜好や社会的状況を把握することも重要だと実感しました。病棟の回診の見学では、患者さんが本を持ってきている場合、何を読んでいるか、また何ページ読み進んでいるかによって、患者さんの嗜好や、その日の体調を把握する、という方法が興味深かったです。

 実習の際、先生方は、お忙しい合間をぬって読書をされたり、体を鍛えたりと、隙あらば自分自身を高めておられました。さらに、生活や社会への関心も高く、教育講演を行ったり、雑誌の記事を書かれたりして、社会に向けて発信されておられる姿に感嘆しました。特に、小田切先生の中学校での性教育の講演は、話の展開が大変面白く、プレゼン方法の勉強にもなりました。また、医師の先生方だけでなく、他の医療従事者の方々も含め、気配りが上手で、私が困っている時には実に親切に教えて下さりました。何事にも誠意と熱意をもって取り組まれている先生方が、多数おられると感じました。

今後の抱負

患者さんをしっかりみるには、まず、自分のステータスを高めることが必要と思います。これには、十分な医学的な知識・技術を習得すると共に、適切な食事・運動・睡眠によって自分の心身の状態をできる限りベストな状態に保っておくことが有用と思います。そして、医学的な勉強のみならず、日ごろから様々なことに興味を持ち、見識を広めるようにしたいと思います。その上で、先輩の医師の方々や他の医療従事者の方と協力し、様々なニーズに応えることができる医療を将来、実践したいと思います。その際、誠意と情熱をもって取組み、患者さん、自分、他の医療従事者がみな、苦しい中でも希望を持ってやっていけるようにしたいと思っています。

実習を通し、将来の目標と課題が朧気ながらみえてきましたので、まずは少しずつ、達成可能な目標を立てて頑張っていきたいと思います。1つは、懇親会の際に、カレー倶楽部の方から、普通の茶色いカレー以外にも、世界には様々なカレーがあると伺いました。興味が出てきましたので、美味しさと栄養面を兼ね揃えたカレー料理を調べ、実際に作ってみようと思っています。また、現在やっている薬局でのアルバイト、そして、これから始まる病院実習では、患者さんの話をしっかりきくこと、を目標に頑張りたいと思います。

謝辞

最後になりましたが、急な連絡にも関わらず、お忙しい中、実習を実施して下さいました平島先生を始めとする先生方、宿舎や空港の送迎等の調整をして下さった事務の方々に深く感謝いたします。