帰ってきた動画倶楽部!

臨床の疑問を動画を持ち寄って、解決し、学び合う無修正動画倶楽部が帰ってきました。

当日学んだ動画の一部をこのページで振り返ってみようと思います。

 

当日提示されたような動画をYoutube検索し、添付してみます。

1.MSSA菌血症・・・指先で何を診る?

60代男性、 設計士 異常行動/意識障害+発熱

→MSSA菌血症 MRI・髄液検査 intact  フォーカス不明

・どんなフィジカル取りますか?

 眼瞼結膜・ 手を見たい;Janeway斑、Osler斑あり→ 手掌の出血班 A弁?M弁?

・さらにどんなフィジカルを取りますか?

→ Quinke兆候:爪の点滅をとりにいくと、爪ではなく爪より末梢側に拍動が

・さらに指そのものに拍動を触れた(付箋で可視化も可能)

→bounding pulseと判断。

そして心臓聴診で拡張期雑音

→ 経胸壁超音波では発見されなかった大動脈弁逆流を伴う感染性心内膜炎だった


2.昏睡状態で指示の入らない肝性脳症患者の陰性ミオクローヌス

80台女性 肝硬変 意識障害で受診

 下肢 flapping tremor ?陰性ミオクローヌスなのか?

→嫌がってるだけ? 

・膝が最初くっついている状態から所見をとる

<追加補足>

下肢で診る場合にも姿勢保持反射障害として「姿勢の崩れ」を診る.陰性ミオクローヌスなので「力が入る」よりは「力が抜ける」ところを捉える


■足を揃える方法


3.首の「もっこりサイン」

80歳男性 40年前にA/M弁置換術後 呼吸困難 

→ 内頸静脈拍動 ”もっこりサイン” 

     severe TRで見られる大きなC波 

  首で一峰性の大きな拍動を見たらsevere TRを考える

  ★頚静脈圧は内頸静脈を見ること

  ★内頸は拍動、外頸は拡張 

  ★Oliver-Cardarelli兆候(喉頭の拍動)

CV波を診たら、giantA波と見た目が似るので波形の立ち上がりを意識して観察しましょう。

■C-V波

■giantA波


4.方向固定性水平性眼振

85歳女性 悪心嘔吐で受診 胃腸炎の診断

再診日に右向きで左へ急速相 左向きへ左へ急速相+右の眼裂狭小化

→最終診断は脳梗塞による延髄外側症候群でした。

身体診察では、一見前庭神経炎に見えてしまうこの眼振→城倉先生らが報告しています

コチラ

ポイント:顕著な側方突進を伴う場合や,眼振の visual suppression が限定的である場合は,中枢性病変の可能性を否定せず,慎重に経過を見ることが大切である。

 

<追加補足>

方向固定性眼振では、Alexanderの法則があり、急速相を向くと眼振が増強するという法則はある。本症例だと急速相の増強はあまりはっきりしなかったかも

ちょっと違うけど、一番近い動画はコチラでしょうか。


5.前頭葉機能低下のフィジカル

27歳男性、18歳交通外傷 長期リハビリテーション後 、広範な頭部外傷後

→ 手掌オトガイ反射 前頭葉機能低下→ 上腕をこすっても誘発 

今回のポイントはココ!「手掌オトガイ反射」と名前はついていますが、手掌以外の刺激でもオトガイ反射は誘発される。

 

原始反射:把握反射、眉間反射(Myerson)  健常人でも30-70% → 減衰する

 PD患者ではL-DOPAで改善、皮膚刺激ー前頭葉を介しているため

<追加補足>

手掌頤反射以外にも吸啜反射もありました

もちろん、赤ちゃんでも出ます!


6.さまよう眼球

80代男性 両側視床病変

ping-pong gaze?

<追加補足>

眼球が左右にさまよう所見は眼球彷徨(roving eye movement)とも呼ばれます.ping pong gazeとの違いは横浜市立脳卒中・神経脊椎センターの城倉先生がコメントしてくださっています→コチラ必読です!

 

報告の歴史からすると、roving eye movementの定義は曖昧で、ping-pong gazeは規則的とされている様ですが、診断的意義は変わらないので同じものを指しているともいえそうです。

 

結局のところ、両側の大脳病変(代謝性脳症を含む)、小脳正中出血で診られる所見



7.フロッグサインが消えるまで

70-80歳代女性 

両側頚静脈拍動 frog sign  ショック(AVNRT)

→山本祐先生 ワソラン投与あとに改善

 外向きの鋭い波 → 治療後に内向きに

★JVPの代表的な異常波形は4つ!TR→CV, Giant A, Cannon A, Deep Y wave(Friedrich sign)


発作性上室性頻拍による、いわゆる「frog sign」は規則性のあるCannonA波と呼ばれます。心房が収縮するタイミングで心室が収縮してしまうような病態で診られます。一方で不規則性のCannonA波は完全房室ブロックなどで診られ、不規則に心房と心室が同時収縮することで診られます。

8.心尖拍動でⅢ音・Ⅳ音を感じろ!

心尖拍動 肥大型心筋症 二峰性心尖拍動

S4かも?

フィジカルスティックでS3/S4を視覚化することは可能です。付箋も大活躍の可能性ありです!

9.はためく背中

背もたれから離れると違和感がある

横隔膜粗動 背中版?

分節性 脊髄ミオクローヌス?ミオキミアっぽい

腹壁反射は?胸髄病変など…

・今回明確な診断がつかなかった事例です。断続的で不連続な筋収縮で、確かにMyokymiaらしさもある様に思いました。

・類似所見としてNEJMに腫瘍随伴性ミオトニアとして報告されていたケースは上腕の断続的な収縮でした

・このケースは脳梗塞後の体軸性ミオクローヌスを伴ってい症例です。


・脊髄病変(この場合は胸髄ですが)に伴う不随意運動のreviewは以下です。脊髄分節性ミオクローヌスだと、複数のセグメントが巻き込まれてもよく、リズミカルになることも多いです。→コチラ

↑付属のAdditional filesの中にある動画(Patient 5)は腹部ではありますが、比較近いもののようにも思います。

・皮膚の刺激で運動に影響するというのは、皮膚刺激が脊髄まで伝わっていることでもあるので、皮膚からのinputによって抑制系が刺激されているとも取れるので、やはり脊髄病変は疑わしいとも思います.

10.のけぞり歩行を検討する

38歳女性 歩きづらい 3週間前から

リハ)重心が後ろに寄っている wide base  、筋力の低下がありそう

脊柱の可動性が悪い  立ち上がる瞬間に前かがみができていない 

脊柱起立筋群が退縮していそう→脊椎MRI intact 

→ 神経内科はてんかん性障害では?と

:強直性脊椎炎は? 脊椎レントゲンを

 AS:股関節病変、膝の病変が予後 日内変動はある

廃用の結果としての歩行困難としてもありそう

・失調性歩行はある 食事は?

 →VB12はわずかに欠乏、腱反射かなり亢進

★廃用かそうじゃないかは食べてから考えよう☆

・ASの辛さを表す動画は以下が印象的でした

・JAMAでB12欠乏による痙性歩行が紹介されていました。これに近いでしょうか??


11.重度片麻痺奇跡の歩行訓練

70歳男性 脳梗塞 右完全麻痺 

四肢弛緩性麻痺が改善してこないが歩行が改善した例

プラスチック短下肢装具使用

 

PT・OTさんによる歩行のメカニズム、リハビリの視点を紹介していただきました。

歩行は全身の神経を診る大事な所見で、正常の歩行を考えることが異常を捉える第一歩になります!

本当にあの日が戻ってきたような、白熱した議論で盛り上がり、参加者全員が成長できるような勉強会でした。

また、次回お会いしましょう。